2002年のみずがめ座η流星群等の観測予想と速報

みずがめη群等の予想
今年の極大時刻は6日の14時頃です。3日〜8日の2時半から3時半頃までの観測が重要になります。下弦の月がありますので、月明かりをさける対策が必要です。日本では、輻射点が低く、南方にあるため、1時間に10から20個程度の出現です。しかも、観測可能時間は0時から3時半までで、出現数が多くなるのは、2時半以降です。南半球のオーストラリアでは、観測条件がよく、1時間に60個程度の出現があります。かつて、何人かの日本流星研究会の会員が、オーストラリアへの遠征を試みて、その活動を捕らえています。毎年、極大は、はっきりせず、極大前後の3日間程度で1時間に10個以上の出現があります。明るい流星は、青白く痕も見られます。写真観測では、あまり捕らえることができませんが、TV観測では、50mmのレンズでも、1時間に10個程度の出現を捕らえることができ、同時観測で軌道を求めることができます。今までに、いくつかのグループで、TVの同時観測を試みて、たくさんの軌道が求められています。私の1999年の軌道計算結果へ。今年は、平年並みの1時間に10個程度の出現と思われますが、極大前後に、火球の出現があるかもしれません。また、この時期は、さそり座群などの南方の小流星群が活動しているので、同時観測をして、軌道を求める価値があります。3日の私のTV観測からこと座ηを1時間に2個捕らえました。この群は、10日頃に極大になります。(輻射点は、α=288゜δ=45゜)数は少ないですが、1983d彗星に関連している可能性があります。

みずがめ群の画像へ

みずがめη群等の観測速報
19日までの、NMS同報によると、竹村氏の13日の3時台のTV観測観測方法(CCD:WatecWAT-100N:Lens  HG0808AFCS-HSP 8mm/F0.8:VTR:SONY DCR-TRV20)で、1時間に6個程度の出現があったそうです。Aqrは、暗いものが多いものの、それなりの数が出ていましたとのこと。極大後の1週間後の出現は、あまり捕らえられていないことから、竹村さんの観測は、とても貴重です。9日現在、眼視観測の結果がありません。全国的に天候が不安定のためだと思われます。鈴木氏のHROのデータからでは、まだ、活動しているようです。6日の朝の私の観測では、雲が流れているため参考程度ですが、1時間に13個程度の出現でした。火球はみれませんでした。TVもしましたが、雲量8程度のため、2個だけでした。こと群は、1時間に1個でした。NMS同報では、鈴木氏と岡本氏の観測結果があります。ロングエコーが少ないとのことです。今頃(6日1時)が極大だと思うのですが、例年、極大後にも出現していますので、8日の朝までは、観測可能かと思います。連休が終わるので、観測しづらいですが、明日の結果が楽しみです。眼視では、村木氏の観測のみですが、数は少なかったようです。5日の私の観測では、眼視で1時間に12個の出現でした。火球は、出現しませんでした。こと群は、5個の出現でした。TVの方は、3個と少な目です。3日の私の観測では、眼視では、1時間に7個、TVで2個の出現でした。月明かりがあるので、こと座付近を観測しました。暗い流星が多いです。TVでは、こと座η群(1983d彗星関連?)を2個(4等と6等)捕らえました。輻射点は、α=282゜δ=47゜(流星図上にプロットしてから求めました。)。この群のNMS同報によると、2日まで、眼視観測結果は、入っていません。その代わり、鈴木氏による電波観測では、みずがめ座流星群らしきエコーが午前中を中心に認められているようです。

眼視とTVの観測速報
観測時刻 時間 群数 H・R 最微星 雲量 観測方向 観測者 観測法 平均H・R
12/13 01:30-03:00 90 5 3.3 5.6 0 Del 竹村氏 TV
12/13 03:01-04:01 60 6 6 5.6 0 Peg 竹村氏 TV
5/6 01:56-02:46 50 2 2.4 8.0 8 Lyr 関口 TV
5/6 02:00-02:40 40 9 13.5 4.5 6.4 Lyr 関口 眼視
4/5 02:30-03:30 60 3 3.0 8.3 0 Lyr 関口 TV
4/5 02:10-03:10 60 2 2.0 5.0 0 Cyg 村木氏 眼視
4/5 02:35-03:35 60 12 12.0 4.3 0 Lyr 関口 眼視
2/3 02:10-03:10 60 2 2.0 8.0 0 Cyg 関口 TV
2/3 02:20-03:20 60 7 7.0 4.5 0 Lyr 関口 眼視

電波観測結果
みずがめ群はやっと終息のようです。5日の極大の後、だらだらと10日過ぎまで
平原状の活動が続きました。
上田氏の電波観測結果のグラフへ
観測時刻 流星数電波観測結果(鈴木氏)へ
観測時刻 流星数
1 2 3 4 5 6 7 8 9 観測者
11:00-12:00 39 33 18 35 岡本氏
10:00-11:00 47 38 18 41 33
09:00-10:00 50 62 30 54 45
08:00-09:00 47 58 73 61 66
07:00-08:00 76 63 87 71 82
06:00-07:00 84 75 70 95 99
05:00-06:00 67 76 67 85 77
04:00-05:00 64 55 60 61 69
03:00-04:00 53 53 79 61 69
02:00-03:00 51 54 57 46 48
01:00-02:00 49 41 56 46 43
00:00-01:00 39 47 53 35 55
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 観測者
11:00-12:00 32 41 47 33 42 38 46 49 36 33 41 鈴木氏
10:00-11:00 37 57 46 48 40 37 45 41 40 36 32 28
09:00-10:00 40 41 32 40 56 30 43 45 49 31 43 34
08:00-09:00 40 45 37 43 63 36 54 47 44 45 45 29
07:00-08:00 37 48 41 40 50 44 55 51 56 57 47 39
06:00-07:00 38 35 46 39 38 35 51 52 36 37 46 36
05:00-06:00 22 47 38 40 33 33 26 30 36 33 32 39
04:00-05:00 33 30 36 32 35 23 27 25 37 34 30 33
03:00-04:00 23 28 31 24 30 32 25 26 28 30 25 18
02:00-03:00 30 29 30 35 22 27 22 20 28 33 28 32
01:00-02:00 29 36 30 29 22 24 18 17 29 23 24 27
00:00-01:00 29 25 24 21 24 22 18 26 26 24

光度分布
時刻 −5 −4 −3 −2 −1  0 合計 観測者 平均 観測法
5/6 01:56-02:46 1 1 2 関口 5.00 TV
5/6 02:00-02:40 3 5 1 9 関口 2.78 眼視
4/5 02:30-03:30 1 2 3 関口 5.33 TV
4/5 02:35-03:35 3 3 6 12 関口 2.25 眼視
2/3 02:10-03:10 1 1 2 関口 4.5 TV
2/3 02:20-03:20 1 1 1 2 2 7 関口 2.43 眼視
合計 1 4 7 13 6 1 3 35 関口 2.97 眼視+TV
 
火球情報
 日 時刻 等級 発光点 消滅点 時間 速度 その他 観測者 観測地 備考
1/2 21:15-39 -4 Her 1.13秒 画像有り 室石氏 石川県 写真