2002年のペルセウス座流星群の望遠鏡観測速報(松本氏による)
★極大夜の望遠鏡観測([nms 18213] 観測速報 08/13 Perより引用)
ところで、眼視観測終了後、15cm双眼鏡で望遠鏡観測、というか、彗星捜索を行なったところ、さすがペルセ群の極大、40分間のうちに15個の群流星が視野を横切りました。光度分布は、3等がひとつだけあった他は5等より暗いものばかりでしたが、8等、9等の流星が痕を残して流れてゆく様子は、眼視観測とはまた違った見物でした。痕だけが残っているのも2つ、見ました。 最も明るい3等の流星が飛び込んできたときには、視野の中でフラッシュを焚かれたように一瞬、目がくらみましたが、白々と残った痕は、しっかり確認できました。15cm双眼鏡では分解能が高いため、痕の細部が良くわかりましたが、今回の痕は、はっきりとした「割り箸痕」で、円筒状の痕の濃い部分(というか、M57等の惑星状星雲同様、濃さをより積分して見える部分)が割り箸状に見えることが伺える形状をしていました。今回に限らず、稀に明るい流星が視野を横切り、痕を残す際には、ほとんどの場合、同様の形状(割り箸痕)に見えるようです。 それにしても、2.7度という狭い視野ながら、これだけ多くの微光流星が見られたことは、かなり驚きではありました。ちなみに、15個の流星のうち、痕が見られたものは10個です。多くの流星が痕を残す中で、7等という明るい流星2個が痕を残さなかったのは、ちょっと不思議なことでした。 いずれにしても、眼視では観測できない暗い流星が相当数出現し、そうした暗い流星が、人知れず小さなドラマを演じているそうです。