２００２年のジャコビニ流星群等の観測予想と速報等

ジャコビニ流星群等の予想
今年の極大日は、８日の２３時頃です。７日〜１０日頃の観測が重要になります。月の影響はほとんどありません。日本では、輻射点が北の空のため一晩中見られます。しかし、予想極大の時間帯は、輻射点が低いため、１９時から２２時頃の観測の方が条件がよくなります。予想出現数は、１時間に５個以下でしょう。ここ数年、母彗星の回帰年以外でも、小出現が観測されています。極大日前後にも観測されています。暗い流星が多く、遅いのが特徴です。時々明るい火球も出現します。写真観測とＴＶ観測では、５０ｍｍのレンズでも、１時間に数個程度の出現を捕らえることができ、軌道を求めることができると思います。今までにも、母彗星の回帰年には、多くのグループで、写真やＴＶの同時観測を試みて、軌道がたくさん求められています。また、この時期は、ケフェウス座群や８月のはくちょう群やうお群やくじら群、１０月オリオン群などの小流星群も活動しているので、同時観測をして、軌道を求める価値があります。また、電波観測では、天気に左右されずに観測ができます。

ジャコビニ流星群観測情報等
　　[ジャコビニ群の平均データ(４２個)と他者との比較]（関口）
　　 DATE UT　　Co.Rad(2000)　 VG　　a　　 e　　 q　　 ω　　 Ω　　 i　 　P　　HB　　HE　 Mag
[平均]981008.54 263.24 +56.28 20.13 3.01 0.662 0.997 173.64 195.08 31.02　5.26 100.0 90.9　2.8
[II2点]　　　　 263.32 +56.36 20.06 2.97 0.657 0.997 173.71 195.08 30.96　5.15　99.4 91.2　3.1
[鈴木氏･II ]　　263.2　+55.42 20.45 3.33 0.698 0.996 173.36 195.08 31.09　6.09 102.2 91.9　5.2
[上田氏･II ]　　263.2　+55.8　20.4　3.18 0.687 0.996 173.48 195.07 31.15　5.7　102.　92. 　1.7
[大塚氏･写真]　 263.28 +55.76 20.95 3.54 0.719 0.996 173.50 195.05 31.80　6.66 102.6 85.9 -0.5
[II-写真50mm]　 263.18 +55.68 20.71 3.39 0.706 0.997 173.43 195.07 31.49　6.24 104.7 88.1 -0.1
[II-写真全部]　 262.67 +55.73 20.66 3.32 0.699 0.996 173.07 195.08 31.48　6.05 105.8 89.1　0.0

ジャコビニ流星群等の観測速報
観測報告速報フォーマット（日本流星研究会）　観測報告先（日本流星研究会）

ＮＭＳ同報によると、１３日現在の観測報告は、速報の通りで、ジャコビニ群は、１時間に１個程度の出現だっようです。住江氏が、理想の空で１時間に５個の出現を捕らえています。長田氏と橋本氏が、くじら群（１時間に３〜４個）と思われる活動を共に捕らえています。また、長田氏は、おひつじ座南部からおうし群と思われる流星、（１時間に１個）さんかく座南部での群活動を捕らえています。９日にジャコビニ群は、１時間に１〜５個程度の出現があったようです。１０日の２０時３１分１９秒に−４等の火球を野本氏が観測しています。これもジャコビニ群の可能性があります。同じく１０日の１時５２分にジャコビニ群と思われる火球を鈴木氏が観測しています。どなたか観測されているでしょうか？。住江氏が１日から５日までの連続観測をしていますが、ジャコビニ群は、活動していなかったようです。５日の観測は、天候が悪く協定観測は、あまりできていないようです。松本氏の観測によると、空の状態が悪く、ジャコビニ群は、０個だそうです。４日の２０時台に長田氏が１時間に２個のジャコビニ群の出現をとらえたそうです。長田氏のコメントによると、「２０時４０分にアルタイルのやや北に２等の群流星が出現。その後も４等の群流星も出現し、９７年から６年連続で出現があったことを確認した。」とのことです。ここ数年の極大前の定常的な出現が、またも観測されたことになります。

眼視とTVの観測速報
日 観測時刻 時間 群数 Ｈ・Ｒ 最微星 雲量 観測方向 観測者 観測法
12/13 21:50-22:50 60 1 1.0 6.9 0 Z 住江氏 眼視
10/11 21:00-23:00 120 7 3.5 7.1 0 Z 住江氏 眼視
10/11 23:00-00:00 60 0 0.0 4.9 0 Ari 橋本氏 眼視
10/11 21:40-23:00 80 1 0.8 5.8 1 Z 長田氏 眼視
9/10 20:30-21:30 60 1 1.0 4.5 3 Dra 竹村氏 眼視
9/10 21:00-22:00 60 1 1.0 4.5 0 中村氏 眼視
9/10 19:50-20:50 60 1 1.0 4.5 0 中村氏 眼視
9/10 21:00-21:30 30 1 2.0 6.1 3 Z 住江氏 眼視
9/10 19:30-20:40 70 5 4.3 6.0 2 Z 住江氏 眼視
9/10 22:10-23:00 50 0 0.0 5.0 0 Z 比嘉氏 眼視
8/9 22:20-23:25 65 3 2.8 7.8 3 Dra 野勢氏 ＴＶ
5/6 22:00-23:00 60 0 0.0 6.2 0 Z 住江氏 眼視
4/5 20:00-21:00 60 2 2.0 5.7 1 Z 長田氏 眼視
3/4 19:02-21:00 113 3 1.6 8.0 Dra 野勢氏 ＴＶ

電波観測結果（鈴木氏）
電波観測結果（鈴木氏）へ
時刻 流星数
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
06:00 33 32 38 20 26 40 29 26 27 23 26
05:00 29 24 29 49 27 30 28 27 32 35 33
04:00 33 30 25 32 31 34 25 32 38 36 45 26
03:00 27 27 31 36 37 34 37 24 33 43 34 25
02:00 36 35 36 32 44 35 44 23 38 38 40 25
01:00 31 35 28 36 34 28 34 20 33 29 30 31
00:00 31 21 19 25 30 25 21 29 29 26
23:00 22 18 20 23 23 16 22 27 31
22:00 18 24 22 23 18 19 20 28 20
21:00 18 25 22 19 16 17 27 22 29
20:00 13 19 17 18 18 14 17 18 20
19:00 19 18 17 15 18 19 18 19
ﾛﾝｸﾞｴｺｰ 1 0 0 0 1 2 0 1 0 0 0 0
最大値 36 35 38 49 44 40 44 32 38 43 45 33
                       
輻射点情報
月 日 輻射点名 赤経 赤緯 流星数 広がり 確度 速度 平均光度 Ｈ・Ｒ 報告者
10 10.58 ξCet 37 8 4 5 P ξCet 3.3 4.0 橋本氏
10 10.55 αTri  29 30 4 5 P M-rR 4.0 3.0 長田氏
10 10.55 ξCet 40 8 4 1 1 rS-M 4.3 3.0 長田氏

光度分布(群)
日 時刻 −５ −４ −３ −２ −１ 　０ 　１ 　２ 　３ 　４ 　５ 　６ 合計 観測者 平均 観測法1
12/13 21:50-22:50 1 1 住江氏 眼視
10/11 21:00-23:00 1 2 3 1 7 住江氏 4.6 眼視
10/11 21:40-23:00 1 1 長田氏 1.0 眼視
10/11 19:50-22:00 1 1 2 中村氏 2.5 眼視
9/10 19:30-21:30 1 2 3 6 住江氏 3.3 眼視
4/5 20:00-21:00 1 1 2 長田氏 3.0 眼視
合計 1 3 5 6 3 1 18

火球情報
日 時刻 等級 発光点 消滅点 群 時間 速度 痕 色 音 その他 観測者 観測地 備考
10/11 22:12:29 -3 Cyg Lyr ? 0.8s R Tr WY 住江氏 兵庫県
10/11 20:31:19 -4 γDra? 1s O 野本氏 埼玉県
9/10 01:52:05 -4 Gem Cnc γDra? 1.2s S Tr YG 急激に増光，閃光 鈴木氏 福島県