ペルセウス座γ流星群の流星痕を撮影しよう
流星痕の観測方法として、流星痕同時観測(METRO)キャンペーン事務局による方法を紹介いたします。
これからの1週間、Per群観測の際には、是非とも『痕カメラ』を傍らにご用意いただき、流星痕の撮影にご留意いただきますようお願い申し上げます。
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★★★ 機材 ★★★
【カメラ】【レンズ】【カメラ三脚(大きめ)】【テレコやICレコーダーなどの音声記録器】
【時計】の5つと、フィルムです。
条件その1.
【フィルム】について、 カラー:【フジ スペリア1600】(ISO1600ネガ) 白 黒:【コダック TMax3200】(ISO3200相当ネガ)を指定します。我々の経験上、こと“流星痕”の撮影に関してはこれがもっともよい選択のようです。
条件その2.
【レンズ】とシャッタースピードは、以下を参考にしてください。これなら“流星痕”を静止して撮影できるでしょう。流れてしまうと微細構造がわかりません。F値の暗いレンズでは、残念ながら“流星痕”は写らない可能性が高いです。この場合は露出時間を長くする必要がありますが、やはり流れて写ってしまうので解析には不向きになってしまいます。
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焦点距離
F値 シャッタースピード
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〜50mm 2.8より明るく! 2〜4秒
85mm〜 2.8より明るく! 1〜2秒
※以下のスペックのレンズは、シャッタースピード1秒で!
【100mmF2】【200mmF2.8】【300mmF2.8】【400mmF3.5】
または同焦点距離でこれより明るいレンズ
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条件その3.
「火球本体の出現時刻(秒まで正確に)」「火球本体の等級」「出現星座(できれば星の名前も)」「観測地点の緯度経度標高」「“流星痕”の撮影時刻(秒まで正確に)」が、必須記録事項です。
条件その4.
一番大事なのが「火球本体の出現時刻」「出現星座」「“流星痕”の撮影時刻」です。メモっているヒマはないので録音します。
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★★★ 観測の実際のやり方の例 ★★★
1)火球が出現したら、すぐさま録音開始。出現1秒後にはスタートできるでしょう。
2)「飛んだ」と一言録音して、すばやく“流星痕”をファインダーに導入し、撮影開始。シャッター音が録音されない可能性があるので、口で「カシャ」「パシャ」でも何でもいいから、シャッターに合わせて言いましょう。
3)連続で10枚は撮ってください。そこまで撮ってまだ見えていたら、15秒毎で見えなくなるまで撮ってください
4)一段落したら、時計を見て、時刻(当然、秒まで)を録音します。「ただいま時刻01時30分20秒、21、22、23・・・」 というようにです。“秒”をいくつか、読んで録音してください。後でテープを遡れば、火球出現時刻と撮影時刻がわかります。
5)「火球本体の等級」と「出現星座」も録音してください。
これらは同時観測の成立のための基礎データ、撮影写真とデータのフィッティングに使います。
※火球出現時刻と、流星痕撮影時刻ですが、1秒以内の精度で記録できれば、データバック・JJY録音・観測者とは別に記録者をもうける・タイムレコードをONしたビデオカメラを観測者に向けておく、なども採用可です。時計も、電波時計を用いるほか、観測前にNHK教育TVの時報などで合わせた時計であれば、採用可です。アナログ時計よりはデジタルのほうが良いですね。
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★★★ フィルムの増感処理について ★★★
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シャッタースピード 増感処理
4秒 +1
2秒 +2
1秒 +2以上
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上記を目安に増感します。こんなに短い露出時間なので、どんなに明るい“流星痕”でも、増感しないとフィルム上に残せません。「ただ写ればいいや」というのではなく、“流星痕”の微細構造を解明するために試行錯誤の上にできあがった方法ですから、是非ともこの方法でお願いします。
白黒フィルム【コダック TMax3200】を使用した場合ですが、このフィルムはISO3200とありますが、現像所に現像を依頼したときの実際の感度はどうも1〜2段低く処理されてしまうようです。現像を依頼するときには「ISO3200相当のつもりで撮影した。これを○倍増感処理してくれ」というようにハッキリ伝えることが大切です。
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以上です。出現10秒以内の映像をゲットするのを目標に!
「ご質問等ございましたら、METROキャンペーン事務局
(meteortrain@freeml.com)までお願いいたします。」