2003年のろくぶんぎ座流星群等の観測予想と速報等

ろくぶんぎ座流星群等の予想
今年の極大日は、2/3日頃です。9月28日〜10日頃の観測が重要になります。この群は、明け方の1時間程度の観測が可能です。予想出現数は、1時間に1〜3個以下でしょう。ここ数年、電波観測で観測されています。昼間群の一つのため電波観測が有効です。1957年にレーダーで9月26日から10月4日まで、1時間に30個以上程度の出現が捕らえられました。輻射点は、α=155゜ δ=0゜付近。日本では、下田氏の電波観測で太陽黄経が184゜〜193゜で、極大を、188゜付近としてとらえています。1時間では、12〜17個程度のエコーを捕らえたそうです。大塚氏によると、この群は、12月のふたご群の複合群だそうです。Sekanina(1964)の論文によるとハーバード大学電波流星プロジェクトで 「ろくぶんぎ群」と命名され、1969年10月8日を中心と した前後2日ほどで7個の流星がD判定(D<=2.0)で捕らえられている。その輻射点はα=156.5,δ=-8.3(B1950)でした。なお、Yrjola&Jenniskens(1998)によると、極大はLs=186+-2,α=150,δ=0(B1950),RHR=200だそうです。この論文によると、しぶんぎ群とふたご群はRHR=2000、ペルセ群は、RHR=1250、おひつじ群(昼間群)はRHR=330だそうです。Cook(1973)ではVG=32.2km/sとなっているそうです。なお、Babadzhanov(1992)によれば、ふたご群、こいぬ群、ろくぶんぎ群(昼間群)はともにPhaetonから分かれた流星群で、これ以外にδしし群(昼間群:未確認)があるはずだと言っています。これらはEnckeと(N)Tau群,(S)Tau群,ζPer群,βTau群の関係とまったく同じで、ツインシャワーとその南北群という関係だそうです。大塚氏によるとfluxは双子群の1/3と見積もっているそうです。バガレーのMeteoroids 2001で話しで、クライストチャーチでは100個以上のradar orbitsが整約されているそうです。眼視観測や写真やTV観測では、明け方の1時間程度しか観測できませんが観測する価値がありそうです。また、TV観測で、50mmのレンズで、1時間に数個程度の出現を捕らえることができるかもしれません。軌道を求めることができるとよいのですが。電波観測では、天気に左右されずに観測ができます。

ろくぶんぎ座流星等の観測速報
今年は、眼視観測で1時間に1〜3個程度の出現が観測されています。9月30日現在、長田氏が明け方の90分の4個の流星から、ろくぶんぎ群の輻射点を求めています。

眼視とTVの観測速報
観測時刻 時間 群数 H・R 最微 雲量 方向 観測者 観測法
1 1 大塚氏 TV6mm
30/01 04:57 1 1 植原氏 TV6mm
29/30 90 4 2.7 Z 長田氏 眼視

電波観測結果
上田氏の電波観測のグラフ  流星電波観測国際プロジェクト 2003 
世界各地でこの群と思われる活動を6日前後に少し捕らえているようです。上田氏によると、ろくぶんぎ座流星群は、毎年出現しているとのことてす。この流星群の出現をHROでみきわめられるような目をもつ努力をするべきと考えているそうです。HROで10月1〜5日の各時間帯ごとの平均出現数と10月6〜10日の平均出現数を比較してグラフにしてみたそうです。その結果、10月1〜5日の方が出現数が多くなっていたそうです。これはろくぶんぎ群の活動によるものとのことです。同じく岡本氏も同様にグラフ化した所同様の結果が得られたようです。

輻射点情報
輻射点名 赤経 赤緯 流星数 広がり 確度 速度 平均光度 H・R 報告者 備考
9 29.77 αSex 149 2 4 3 P M-rR 4.0 2.7 長田氏 眼視
長田氏は、αSexとして、ろくぶんぎ群の輻射点を求めています。

光度分布(群)
時刻 −5 −4 −3 −2 −1  0  1  2  3  5  6 合計 観測者 平均 観測法
30/01 04:57: 1 1 植原氏 TV6mm
29/30 4 4 長田氏 4.0 眼視
10月1日早朝に撮影された流星で、この群ではないかと思われるものがあります。4h57mにこじし座に出現した2等の速度S