2003年のみずがめ座η流星群等の観測予想と速報

みずがめη群等の予想
今年の極大時刻は6日の20時頃です。3日〜8日の2時半から3時半頃までの観測が重要になります。新月の近くですので、好条件です。日本では、4月下旬から5月13日頃まで、輻射点が低く、南方にあるため、1時間に10から20個程度の出現です。しかも、観測可能時間は0時から3時半まで、出現数が多くなるのは、2時半以降です。南半球のオーストラリアでは、観測条件がよく、1時間に60個程度の出現があります。かつて、何人かの日本流星研究会の会員が、オーストラリアへの遠征を試みて、その活動を捕らえています。毎年、極大は、はっきりせず、極大前後の3日間程度で1時間に10個以上の出現があります。明るい流星は、青白く痕も見られます。写真観測では、あまり捕らえることができませんが、TV観測では、50mmのレンズでも、1時間に10個程度の出現を捕らえることができ、同時観測で軌道を求めることができます。今までに、いくつかのグループで、TVの同時観測を試みて、たくさんの軌道が求められています。私の1999年の軌道計算結果へ。今年は、平年並みの1時間に10〜20個程度の出現と思われますが、極大前後に、火球の出現があるかもしれません。WGNの4月号の「Long-term activity of showers fromComet 1P/Halley (Audrius Dubietis)」という論文によるとオリオン群はZHR15〜30程度で年毎に有意に変動していて、1989〜1991年は出現数が少なく、1996年前後は出現数が多くなっています。1900年から1970年の出現数をまとめたHajduk(1970)の論文によると、オリオン群は過去、1924年、1936年、1948年ごろに、出現数が多かったということで、ここから12年周期が推定されるが、そうだとすると
1984年や1996年頃は出現数が多い頃で、その間の1990年ことは少なくなります。この12年周期が正しいとすると、今は出現数が少ない頃です。今後2008年ごろをピークに出現数が増えるだろうと言えます。この論文が正しいとすると、母彗星がハレー彗星であるのでみずがめ群も同様の変化が考えられます。他に、この時期は、さそり座群などの南方の小流星群が活動しているので、同時観測をして、軌道を求める価値があります。昨年の3日の私のTV観測からこと座ηを1時間に2個捕らえました。この群は、10日頃に極大になります。(輻射点は、α=288゜δ=45゜)数は少ないですが、1983d彗星に関連している可能性があります。


みずがめ群の画像へ  みずがめ群のアニメーションへ   過去のみずがめ群の様子(吉田氏)

みずがめ群の軌道
ID DATE UT Co.Rad(2000) VG a e q ω Ω i 備考
SAC04 5/1 180720 331.9 -0.6 64.9 6.78 0.91 0.60 98.4 40.9 158.5 99年TV同時、関口
5/7 18 340.4 -1.2 67.3 1.06 0.58 99.7 46.8 166.2 99年TV同時、関口
RLP1 5/10 340 0 69 1.00 0.65 110 49 166 MSSWG塩井・重野氏

協定日時:5月3/4日 2:00 - 3:30(90分間)              5月5/6日 2:00 - 3:30(90分間)
観測方法:天頂を見ての眼視、計数観測。みずがめ座η流星群の出現数にも注目を。
E-mailで報告の場合、m-ueda@mua.biglobe.ne.jp
へ締め切り:5月31日


みずがめη群等の観測速報
11日21時現在、住江氏の観測では、10日の朝に、1時間に8〜18個程度の出現があったようです。暗い流星が多いようです。また、2時頃が多く、3時台は、激減しています。このことから、明らかに極大を過ぎていることが分かります。長田氏は、αLyr群を1時間に1個程度の出現を観測しています。電波観測では、高原状の活動が続いているようです。今までの住江氏の観測の結果のコメントでは、極大期の6/7,7/8が悪天候による欠測の為、不明ですが、出現数のピークは  May3/4〜5/6頃で、明るい流星のピークは、Apr.30/1〜May2/3頃であった様に思います。全体的に見るとマイナス等級が少なくて 地味な印象でしたとのことです。8日21時現在、NMS同報によると、全国的に曇りのようで眼視観測の結果は、入っていません。電波観測では、各地のデータが更新されました。これらによると、6日の朝にやはり、極大があったようです。眼視と電波の両方から出現数は、5日の朝が多かったようです。7日、21時現在、NMS同報によると、全国的に曇りのようで眼視観測の結果は、入っていません。電波観測では、6日の朝に極大を迎えたようです。6日23時現在、NMS同報によると、眼視観測では、住江氏が3時台に、1時間に30個程度の出現を観測しています。しかし、暗い流星が多く、極大とは思えないほどのようです。極大を過ぎたようです。その他の観測地では、曇りのため観測報告は入っていません。今現在も、各地では、曇りがちのようです。5日21時現在、NMS同報によると、電波観測では、少しのエコー増加が見られているものの、顕著な増加は、まだ、見られていないようです。4日の火球は、佐々木氏によって火球パトロールカメラで撮影されていて痕も撮影されていたそうです。住江氏は、空のよい所で観測され、3時台には、眼視で1時間に37個の出現を捉えています。また、コメントとして、2等以上の明るいものも非常に少なく、3等の流星が明るく思える程です。数ばかりが多くて、全然派手さがありません。ηAqr群も、兄弟流星群のξOri群と同様に、数は多いが、暗いもの中心の地味な流星群になってしまうのでしょうか?それでも、経路長100度以上にも及ぶ−2等の大流星は素晴らしかったそうです。佐藤氏によると、-5〜-6等の火球は、火球カメラに写っている可能性があるそうです。過去に火球カメラにηAqr群と思われるものが写った事があるそうです。1999年5月5/6日-4等程度の明るいものだそうです。4日18時現在、NMS同報によると、眼視観測で1時間に7〜30個程度の出現があったようです。私の観測からは、眼視で、1時間に7個程度でした。空があまりよくなかったです。TVでは、1時間に2個でした。空のよい所では、眼視で1時間に20個以上を観測しているようです。長田氏は、理想の空で、3時台に、1時間に30個のくらい流星をとらえています。また、宮城県地方で−5等程度の火球が出現していて同時観測されています。明るい流星も出現し始めたようです。4月30日の22時現在のNMS同報によると、眼視観測で1時間に2〜6個程度の出現が観測されているようです。29日までの、NMS同報によると、眼視観測で1時間に5〜10個程度の出現が観測されています。もうすでに、眼視と電波で、みずがめ群の初期活動が27日朝から確認されています。電波では、26日の朝から少し増加していて、眼視観測と一致しています。明るい流星も出現していて、ロングエコーもとえているようです。住江氏は、27/28日に、理想の空で、微光の初期活動をとえたようです。長田氏は、αBoo群の出現も1時間に3〜5個程度とらえています。橋本氏や佐藤氏は、αSco群も1時間に1個程度の出現をとらえています。

眼視とTVの観測速報
観測時刻 時間 群数 H・R 最微星 雲量 観測方向 観測者 観測法 平均値
09/10 01:40-03:00 80 12 9 5.7 0 Z 長田氏 眼視
09/10 02:20-03:20 60 3 3 5.1 0 Lyr 内山氏 眼視
09/10 01:45-04:00 135 36 16 6.2 0 Z 住江氏 眼視 16
08/09 01:45-03:45 135 42 18.7 6.3 0 Z 住江氏 眼視 18.7
05/06 00:50-04:05 195 63 19.4 6.2 0 Z 住江氏 眼視 19.4
05/06 02:50-03:50 60 33 33 6.3 0 Z 住江氏 眼視
04/05 00:50-04:05 195 69 21.2 6.2 0.3 Z 住江氏 眼視 20.8
04/05 02:50-03:50 60 37 37 6.4 0 Z 住江氏 眼視
04/05 02:50-03:50 60 3 3 5.1 4 Z 寺久保氏 眼視
03/04 02:00-03:00 60 10 10 5.7 0 Z 溝口氏 眼視
03/04 02:00-03:30 90 45 30 5.7 0 Z 長田氏 眼視 16.1
03/04 03:00-03:30 30 4 8 5.9 0 Z 殿村氏 眼視
03/04 02:45-03:45 60 10 10 5.5 0 Z 加藤氏 眼視
03/04 02:00-02:50 50 11 13.2 5.7 2 Z 住江氏 眼視
03/04 02:50-03:50 60 22 22 5.7 0 Z 住江氏 眼視
03/04 03:12-03:52 40 2 3 7.5 0.2 Lyr 関口 TV50mm
03/04 03:15-03:50 35 4 6.9 6.9 0 Lyr 関口 眼視
02/03 03:00-03:50 50 19 22.8 6.9 2 Z 住江氏 眼視 13.6
02/03 02:10-02:50 40 7 10.5 5.7 3 Z 長田氏 眼視
02/03 02:40-03:40 60 8 8 5.7 0 Aql 溝口氏 眼視
01/02 02:00-03:30 90 6 4 5.2 0 Z 村木氏 眼視 9.6
01/02 02:30-03:30 60 12 12 6.0 0 Z 長田氏 眼視
01/02 00:50-03:50 180 33 11 7.2 0 Z 住江氏 眼視
01/02 02:50-03:50 60 20 20 7.2 0 Z 住江氏 眼視
01/02 02:30-03:45 75 5 4 6.0 0 Aql 溝口氏 眼視
01/02 03:00-03:30 30 3 6 5.6 0 Cyg 内山氏 眼視
30/01 00:50-04:10 200 43 12.9 6.8 0 Z 住江氏 眼視 12.9
28/29 02:40-03:40 60 3 3 5.4 0 Ser 溝口氏 眼視 5.6
28/29 01:45-03:00 75 7 5.6 5.6 0 Z 長田氏 眼視
28/29 01:50-04:10 140 17 7.3 5.8 1.3 Z 住江氏 眼視
28/29 02:50-03:50 60 9 9 6.0 1 Z 住江氏 眼視
28/29 02:20-03:30 70 2 1.7 4.5 0 Cyg 橋本氏 眼視
27/28 02:00-03:00 60 0 0 5.6 0 Z 佐藤氏 眼視 6.8
27/28 00:50-04:10 200 26 7.8 6.9 0 Z 住江氏 眼視
27/28 02:50-03:50 60 10 10 7.0 0 Z 住江氏 眼視
26/27 01:55-03:45 110 5 2.7 6.2 2 Z 住江氏 眼視 3
グラフ

電波観測結果
電波観測では、各地のデータが更新されました。これらによると、11日現在、高原状の活動が続いているようです。上田氏のグラフから、7日に多くの出現があったようですが、ロングエコーは、6日がやはり多かったようです。6日の朝にやはり、極大があったようです。出現数のみでは、5日の朝にピークが見られている所もあります。ロングエコーは、6日の朝が多いようです。7日現在、岡本氏の観測結果によると、η-Aqrのものと思われるロングエコーも5/6の朝は7個だそうです。他の方の報告同様総数では増加していないそうです。極大は確実に過ぎたようです。極大は、強いて言えば6日9時台の数がそれを表しているでしょうかとのことです。6日現在、電波観測の新しい情報が入っていません。今年の状況は、今後の情報で待ちましょう。5日現在、岡本氏の観測からも、まだ、ロングエコーの増加は、見られていないようです。3日現在、上田氏の観測によると、ロングエコーは、少ないようです。2日現在、岡本氏と上田氏の観測から、28日からロングエコーが増え始めたようです。はやくも、みずがめ群と思われるロングエコーが観測されているようです。4月28日の電波観測(HRO)によると28日5時〜9時にロングエコーが出現しており、早くもみずがめ座η流星群の活動があったようです。上田氏の4月20〜29日までのグラフから、26日からの朝からエコーが少し増え続けているのがよく分かります。眼視観測とよく一致しているようです。
電波観測プロジェクト最新の観測情報画像やライブ  
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観測時刻 流星数(岡本氏)
27 28 29 30 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
09:00-10:00 32 28 24 29 40 39 16 15 40 32 20 28 28 25
08:00-09:00 26 28 22 39 8 41 29 30 25 29 28 38 51 31 46
07:00-08:00 26 36 40 36 18 48 35 45 49 45 36 29 42 41 41
06:00-07:00 40 27 27 35 50 41 48 46 28 30 48 43 65 33 61
05:00-06:00 24 28 39 26 32 58 48 44 38 34 43 32 30 49 49
04:00-05:00 28 23 24 29 43 46 48 36 23 32 24 26 41 33 44
03:00-04:00 24 24 18 38 35 38 23 16 30 30 40 21 36 29
02:00-03:00 26 20 30 19 41 28 27 20 24 29 32 20 33 27
01:00-02:00 37 25 34 28 35 39 21 21 29 27 27 25 21 38
00:00-01:00 19 34 26 24 44 31 25 20 19 21 32 28 23 21
ロングエコー 1 3 2 2 3 0 1 1 4 7 2 6 8 3 6
最大値 40 37 40 39 50 58 48 46 49 45 48 43 65 49 61

光度分布
時刻 −5 −4 −3 −2 −1  0 合計 観測者 平均 観測法
09/10 01:45-04:10 2 3 7 18 6 36 住江氏 3.6 眼視
08/09 00:45-04:00 3 7 21 11 42 住江氏 3.9 眼視
05/06 00:50-04:05 4 13 32 14 63 住江氏 3.9 眼視
04/05 00:50-04:05 1 2 4 17 30 15 69 住江氏 3.7 眼視
03/04 1 1 加藤氏 眼視
03/04 02:00-03:30 1 3 5 18 21 5 53 長田氏 3.3 眼視
03/04 02:00-03:50 1 3 8 11 15 3 41 住江氏 3.1 眼視
03/04 03:15-03:50 1 3 4 関口 2.8 眼視
03/04 03:12-03:52 2 2 関口 4 TV50mm
02/03 02:15-03:50 1 1 2 2 4 7 4 21 住江氏 3.1 眼視
01/02 02:00-03:30 1 1 3 1 6 村木氏 3.3 眼視
01/02 00:50-04:05 1 1 3 6 15 11 3 40 住江氏 3.9 眼視
30/01 00:50-04:10 2 1 2 3 6 14 12 3 43 住江氏 3.3 眼視
28/29 01:50-04:10 1 2 6 8 17 住江氏 3 眼視
27/28 00:50-04:10 2 4 11 7 2 26 住江氏 4.1 眼視
26/27 01:55-03:45 1 2 2 5 住江氏 3 眼視
合計 1 2 5 4 14 31 77 128 58 8 328 3.5
グラフ
   
輻射点情報
輻射点名 赤経 赤緯 流星数 広がり 確度 速度 平均光度 H・R 報告者
5 9.72 68Oph  269 -1 4 4 P rR-R 4.3 3 長田氏
5 9.72 109Her 277 23 4 3 1 rR-R 4.5 3 長田氏
5 1.75 iSer 235 20 4 2 P rR-R 4.8 4.0 長田氏
4 28.72 κHer 242 17 4 3 1 rR-R 4 3.2 長田氏
4 26.53 αBoo 216 22 5 3 1 S-M 4.2 4.0 長田氏

火球情報
 日 時刻 等級 発光点 消滅点 時間 速度 その他 観測者 観測地 備考
3/4 03:26 -5 ηAqr 0.73s 画像あり 佐藤氏 宮城県 同時火球
3/4 03:26 -6 Aqr Aql ηAqr 0.87s Tr 画像有り 佐々木氏 岩手県
3/4 03:26 -6 358 +19.5 0 +24.5 ηAqr Tr 1m WG 殿村氏 宮城県
3/4 03:27 -5 Peg Cam ηAqr 1s Tr45s WGO 2回増光 加藤氏 宮城県
1/2 22:42:09 -4 Aql 1.93s 画像あり 室石氏 石川県 同時火球
1/2 22:42:09 -3 1.93s 画像あり 佐藤氏 宮城県
1/2 22:42:09 -4 Vir 西 1.9s Tr 画像あり 井上氏 宮城県
1/2 20:55:42 -6 2s rR WG 住江氏 兵庫県