2003年のはくちょう座κ流星群等の観測予想と速報等

はくちょう座κ流星群等の予想
今年の極大日は、20日頃です。20日〜21日の20時から2時頃までの観測が重要になります。月の影響は、夜半に少しあります。日本では、輻射点が北の空のため一晩中見られます。予想出現数は、1時間に3個程度です。夏休みの時期ですので、できるだけ空のよい所で観測しましょう。毎年、極大は、はっきりしていません。8月にはいると観測され、ペルセの極大頃にもよく観測されています。極大前後の2日間程度で1時間に多くて5個程度の出現があります。0等から2等程度の明るい流星が、ゆっくり流れます。時に小爆発します。TV観測では、50mmのレンズでも、1時間に2個程度の出現を捕らえることができ、同時観測で軌道を求めることができます。その結果、かなり複雑な構造をした複合群です。今までに、多くのグループで、写真やTVの同時観測を試みて、いくつかの軌道が求められています。学生さんは、準備をしっかりして観測しましょう。また、この時期は、こうま群、うお群、くじら群などの南方の小流星群も活動しているので、同時観測をして、軌道を求める価値があります。また、電波観測では、天気に左右されずに観測ができます。
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はくちょう座κ流星等の観測速報
観測速報2002年(日本流星研究会)

8月25日現在、右の火球が、井上氏のTVでも撮影されていました。明るさは、低空のため1等とのことです。井上氏の画像と野本氏の測定データから火球の軌道を求めてみました。この結果から、はくちょう群のAに属していることが分かりました。22日の21時41分頃に、はくちょう群の−3等の火球が眼視とTVでとらえられました。この火球は、HROでは、とらえられていないようです。また、長田氏は、1時間に3個程度の出現をとらえています。22日現在、21日の1時48分頃に、植原氏がはくちょう群と思われる火球をビデオ観測しています。この火球は、痕が1秒ほど残り、HROのロングエコーでもとらえられているようです。長田氏が21/22日に1時間に1個程度の出現を観測しています。16日現在、住江氏が1時間に4個程度の出現を観測しています。11日現在、私のTV観測で、22時台に1時間に1個の出現をとらえました。3等のゆっくりな流星でした。10日現在、NMS同報によると、9/10日までに、1時間に1個程度の出現のようです。

眼視とTVの観測速報
観測時刻 時間 群数 H・R 最微星 雲量 観測方向 観測者 観測法
22/23 20:30-22:00 90 5 3.3 5.6 0 Z 長田氏 眼視
21/22 23:50-00:40 50 1 1.2 5.8 1 Z 長田氏 眼視
15/16 01:55-02:40 45 3 4 5.9 3 Z 住江氏 眼視
10/11 21:50-22:50 60 1 1 5.0 3 Cyg 関口 TV28mm
09/10 01:45-03:00 75 2 1.6 5.7 2 天頂 長田氏 眼視

電波観測結果
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光度分布(Cyg群)
時刻 −5 −4 −3 −2 −1  0  1  2  3  4  5  6 合計 観測者 平均 観測法
22/23 1 1 長田氏 眼視
15/16 00:55-02:40 1 2 1 4 住江氏 3.0 眼視
10/11 1 1 関口 3.0 TV28mm

輻射点情報
輻射点名 赤経 赤緯 流星数 広がり 確度 速度 平均光度 H・R 報告者 備考
8 22.51 δCyg 295 45 4 5 P S-rS 4.0 2.7 長田氏 κCyg群

火球情報
時刻 等級 発光点 消滅点 時間 その他 観測者 観測地 備考
22 21:41:14 1 Sgr Sgr κCyg 0.9 TV画像あり 計算結果へ 井上氏 宮城県 同時火球
計算済み
22 21:41:16 -3 305゚36゚ 313゚25゚ 途中から増光。ビデオ 野本氏 埼玉県
22 21:41:20 -3 Cep Cep κCyg W 長田氏 静岡県
21 01:48:52 -3 Aur κCyg? 1s 1s 画像有小林氏のHRO画像 植原氏 大阪府 ビデオ
21 04:04:40 -3 Lyn κCyg 3.8s 画像有 植原氏 大阪府 ビデオ