2003年のジャコビニ流星群等の観測予想と速報等

ジャコビニ流星群等の予想
今年の極大日は、9日の5時頃です。FAS府中天文同好会の佐藤氏の計算によると、1887年からのダストが8日の5時15分頃  262゜.4 +52゜から 19.6KM/sの速さで出現するそうです。また、次の2つの予想は、ダストトレールは、1873年の19公転ダストトレールと1880年の18公転ダストトレールです。予報されるピーク時刻は、日本時間で10月8日午前2時40分ごろと午前3時20分ごろだそうです。来年2004年に、いくつかのトレイルが遭遇しそうな結果となったそうです。この概略計算は誤差が大きいのでなんともいえませんが、1817〜1873年のトレイルで可能性があります。太陽黄経はおよそ194.3〜194.9の範囲(10月7.3〜7.9日UT、日本時では7日16h〜8日7時)だそうです。今年は、7日〜10日頃の観測が重要になります。月の影響があります。日本では、輻射点が北の空のため一晩中見られます。しかし、予想極大の時間帯は、輻射点が低いため、19時から22時頃の観測の方が条件がよくなります。予想出現数は、1時間に5個以下でしょう。ここ数年、母彗星の回帰年以外でも、小出現が観測されています。極大日前後にも観測されています。暗い流星が多く、遅いのが特徴です。時々明るい火球も出現します。写真観測とTV観測では、50mmのレンズでも、1時間に数個程度の出現を捕らえることができ、軌道を求めることができると思います。今までにも、母彗星の回帰年には、多くのグループで、写真やTVの同時観測を試みて、軌道がたくさん求められています。また、この時期は、ケフェウス座群や8月のはくちょう群やうお群やくじら群、10月オリオン群などの小流星群も活動しているので、同時観測をして、軌道を求める価値があります。また、電波観測では、天気に左右されずに観測ができます。

ジャコビニ流星群観測情報等
  [ジャコビニ群の平均データ(42個)と他者との比較](関口)
   DATE UT  Co.Rad(2000)  VG  a   e   q   ω   Ω   i   P  HB  HE  Mag
[平均]981008.54 263.24 +56.28 20.13 3.01 0.662 0.997 173.64 195.08 31.02 5.26 100.0 90.9 2.8
[II2点]     263.32 +56.36 20.06 2.97 0.657 0.997 173.71 195.08 30.96 5.15 99.4 91.2 3.1
[鈴木氏・II ]  263.2 +55.42 20.45 3.33 0.698 0.996 173.36 195.08 31.09 6.09 102.2 91.9 5.2
[上田氏・II ]  263.2 +55.8 20.4 3.18 0.687 0.996 173.48 195.07 31.15 5.7 102. 92.  1.7

[大塚氏・写真]  263.28 +55.76 20.95 3.54 0.719 0.996 173.50 195.05 31.80 6.66 102.6 85.9 -0.5

[II-写真50mm]  263.18 +55.68 20.71 3.39 0.706 0.997 173.43 195.07 31.49 6.24 104.7 88.1 -0.1

[II-写真全部]  262.67 +55.73 20.66 3.32 0.699 0.996 173.07 195.08 31.48 6.05 105.8 89.1 0.0

ジャコビニ流星等の観測速報
観測報告速報フォーマット(日本流星研究会) 観測報告先(日本流星研究会)  2002年の結果

10月11日現在、北海道の野勢氏のビデオ観測では、1時間に1個程度の出現だったようです。9日現在、TV観測で植原氏がジャコビニ群らしき流星を3個とらえているようです。8日現在、眼視観測は、長田氏が20時台に1時間に3個程度の出現を、長野の観測者が数個の出現を観測しています。また、ビデオ観測もしているようです。電波観測では、はっきりとらえていないようです。7日現在、眼視観測では、長田氏が20時台に1時間に7個の出現を観測しています。電波観測では、まだ、観測されていないようです。また、10月4/5日の夕方にジャコビニ群を44分間で7個を見たという情報もあります。植原氏によると4/5日の夕方は18:15より、流星の自動検出を行ってましたが、ジャコビニと思われる流星は全く捉えていませんとのことです。

眼視とTVの観測速報
観測時刻 時間 群数 H・R 最微星 雲量 観測方向 観測者 観測法
8/9 19:00-20:00 60 0 0 6.8 野勢氏 TV
8/9 23:50 3 植原氏 TV6mm
8/9 20:45-22:00 75 4 3.2 5.3 1 Z 長田氏 眼視
7/8 21:02-22:00 58 1 1.0 6.8 野勢氏 TV
6/7 20:00-21:00 60 1 1.0 6.1 野勢氏 TV
6/7 20:45-21:45 60 4 4.0 5.3 2 Z 長田氏 眼視

電波観測結果
流星電波観測国際プロジェクト 2003 上田氏の電波観測結果のグラフ 
ジャコビニ流星群における,日本各地のHROの反射領域
上田氏の観測では、9日現在も突発は認められていないようです。世界の各地でもとらえられていないようです。7日17時現在、特に以上はないようです。

輻射点情報
輻射点名 赤経 赤緯 流星数 広がり 確度 速度 平均光度 H・R 報告者
10 8/9 μCep 318 67 3 植原氏
10 8/9 γDra 288 57 2 植原氏
10 8.52 γDra 273 52 4 2 1 S-M 3.5 3.2 長田氏
10 6.51 γDra 271 57 4 2 1 rS-M 3.3 4.0 長田氏
これら2個の流星の交点は288°+57°
光度分布(群)
時刻 −5 −4 −3 −2 −1  0  1  2  3  4  5  6 合計 観測者 平均 観測法1
8/9 1 植原氏 TV
6/7-8/9 2 2 野勢氏 TV

火球情報
時刻 等級 発光点 消滅点 時間 速度 その他 観測者 観測地 備考
12/13 21:24:56 -3 Per 1.8s 画像あり 植原氏 大阪府 TV6mm
同時火球
12/13 21:25 1s Tr W 村田氏 富山県
9/10 21:20:11 -3 163.3  22.8 158.1  15.4 2s 画像あり 鈴木氏 神奈川県 TV6mm
同時火球
9/10 21:21 4s BW 富山市民 富山県
4/5 23:53:45 -2 Aur 1.2s Tr 画像あり 植原氏 大阪府 TV6mm
4/5 03:27:11 -2 Cnc 0.5s Tr 画像あり 植原氏 大阪府 TV6mm
4/5 03:27:25 -2 Lyn 0.5s Tr 画像あり 植原氏 大阪府 TV6mm