2005年のジャコビニ流星群等の観測予想と速報等

ジャコビニ流星群等の予想
今年の極大日は、8日の17時頃です。今年は、3日〜12日頃の観測が重要になります。日本では、輻射点が北の空のため一晩中見られます。しかし、予想極大の時間帯は、輻射点が低いため、16時から22時頃の観測の方が条件がよくなります。予想出現数は、1時間に5個以下でしょう。ここ数年、母彗星の回帰年以外でも、小出現が観測されています。極大日前後にも観測されています。暗い流星が多く、遅いのが特徴です。時々明るい火球も出現します。写真観測とTV観測では、50mmのレンズでも、1時間に数個程度の出現を捕らえることができ、軌道を求めることができると思います。今までにも、母彗星の回帰年には、多くのグループで、写真やTVの同時観測を試みて、軌道がたくさん求められています。また、この時期は、ケフェウス座群や8月のはくちょう群やうお群やくじら群、10月オリオン群などの小流星群も活動しているので、同時観測をして、軌道を求める価値があります。また、電波観測では、天気に左右されずに観測ができます。

ジャコビニ流星群観測情報等
  [ジャコビニ群の平均データ(42個)と他者との比較](関口)
   DATE UT  Co.Rad(2000)  VG  a   e   q   ω   Ω   i   P  HB  HE  Mag
[平均]981008.54 263.24 +56.28 20.13 3.01 0.662 0.997 173.64 195.08 31.02 5.26 100.0 90.9 2.8
[II2点]     263.32 +56.36 20.06 2.97 0.657 0.997 173.71 195.08 30.96 5.15 99.4 91.2 3.1
[鈴木氏・II ]  263.2 +55.42 20.45 3.33 0.698 0.996 173.36 195.08 31.09 6.09 102.2 91.9 5.2
[上田氏・II ]  263.2 +55.8 20.4 3.18 0.687 0.996 173.48 195.07 31.15 5.7 102. 92.  1.7

[大塚氏・写真]  263.28 +55.76 20.95 3.54 0.719 0.996 173.50 195.05 31.80 6.66 102.6 85.9 -0.5

[II-写真50mm]  263.18 +55.68 20.71 3.39 0.706 0.997 173.43 195.07 31.49 6.24 104.7 88.1 -0.1

[II-写真全部]  262.67 +55.73 20.66 3.32 0.699 0.996 173.07 195.08 31.48 6.05 105.8 89.1 0.0

ジャコビニ流星等の観測速報
観測報告速報フォーマット(日本流星研究会) 観測報告先(日本流星研究会) 
2004年の結果
 2003年の結果 上田氏の電波観測結果のグラフ2003年 2002年の結果 
今年は、全国的に極大期は天候がよくなくあまり観測されていません。IMOの速報外国でのレーダー観測では、1時間に150個程度の出現があったようです。眼視では、ZHR34個程度のようです。暗い流星がたくさんでたようです。 Astronomyのwebのニュースによると、カナダの西オンタリオ大学のチームのレーダー(CMOR)で10月8日17時(UT)に150個/時間の観測があり輻射点マッピングではきれいに輻射点が出てます。彼らは1946年放出のダストが今回の出現したのではないかと考えているようですがはきりしません。藤原氏がIAUCを読んで訳しています。以下引用します。<カナダのレーダーでの観測結果は西オンタリオ大学のM. Campbell-Brown,P.Brown, P. Wiegertからの報告です。カナダのレーダー(CMOR)28MHzと38MHzの2周波数(29.85MHzと38.15MHz)での観測で太陽黄経(2000年分点)195.44度(+-0.02)、10月8.71日(UT)極大で継続時間は約2時間(ただし不確実)、極大でのフラックスは極限電波等級6.5等(質量約10のマイナス6乗kg)で1時間当たり1平方キロメートル当たり0.15(流星体)となり、population indexを3.0(1998年と1985年の観測より)と仮定するとZHRで150近い値となるとのことです。過去5年間のレーダー観測での輻射点マッピングでは輻射点は検出できなかったそうです。63個の軌道(おそらく29.85MHzのレーダーから得られたと思われます)の平均は、a=3.456+-0.177, e=0.679+-0.012, q=0.988+-0.0005, ω=166.634+-0.311,Ω=195.418+-0.014, i=29.830+-0.266、大気中の平均速度22.8+-0.2km/s と書かれていますが、長谷川先生よりこのaとeからqを求めると1.1094となりq=0.988とは合わないとの指摘をいただいています(q=a(1-e)でLindblad博士もこの式でIAUMDCに集録する流星軌道計算結果をチェックされていた)。眼視観測(IMO)は、太陽黄経195.38度から195.5度(8.65から8.78日(UT))にかけて極大でZHRは40近い値ということですが明るい流星はなかったようです。Vaubaillonによると母彗星の1946年の回帰ときに放出された半径50から100ミクロン(sub-visual sizes 眼視で観測される暗い流星のこと?)の流星体が彼のシミュレーションだとこの観測時間帯の近くで地球軌道と交差するそうです。また、同じく彼によるとより大きい粒子は地球と交差しないそうで、この結果は眼視観測のZHRよりレーダーでのより小さい質量によるところのZHRのほうが大きいということを説明しているとしています。>15日現在、13日にも1時間に1個程度眼視で観測されています。TV観測で1時間に1個程度。
眼視とTVの観測速報
観測時刻 時間 群数 H・R 最微星 雲量 観測方向 観測者 観測法
13/14 18:15-19:30 75 2 1.6 5.5 0 Z 長田氏 眼視
12/13 19:00-20:00 60 3 3 5.5 0 Z 長田氏 眼視
11/12 21:30-22:30 60 3 3 5.5 2 Z 長田氏 眼視
06/07 01:00-02:00 60 1 1 室石氏 TV3.8mmUFOCapture
06/07 21:00-04:00 60 1 1 ぷる氏 TV6mmUFOCapture
05/06 00:00-01:00 60 1 1 しゃあ氏 TV6mmUFOCapture
01/02 20:30-21:30 60 0 0 5.6 2 Z 長田氏 眼視

電波観測結果
流星電波観測国際プロジェクト

輻射点情報
輻射点名 赤経 赤緯 流星数 広がり 確度 速度 平均光度 H・R 報告者 備考
10 06/07 γDra 264.1 51.5 3 4 1 関口 ぷる氏のTV観測のトレイルマップより

光度分布(群)
11/12、12/13に長田氏が眼視で6個観測されていて、全て3等以下。
時刻 −5 −4 −3 −2 −1  0  1  2  3  4  5  6 合計 観測者 平均 観測法1
13/14 18:15-19:30 2 2 長田氏 眼視
06/07 01:00-02:00 1 1 室石氏 TV3.8mmUFOCapture
06/07 21:00-04:00 1 1 1 3 ぷる氏 TV6mmUFOCapture
05/06 00:00-01:00 1 1 しゃあ氏 TV6mmUFOCapture

火球情報
時刻 等級 発光点 消滅点 時間 速度 その他 観測者 観測地 備考